【前回記事を読む】アメリカ留学中、「最近の日本人の中では、あなたはまだマシなほうね」と言われた。アメリカでは日本人に対する評価が…

第1章 なぜ日本人はこれほど劣化したのか?

1960~1970年代の日本人に対する評価

自分は留学2~3年目辺りに、日系二世の方のお宅を時々訪ねるようになりました。このご夫婦は戦後間もなくご主人の研究関係で日本にも滞在していたとのことですが、大学の近くに住居を構えているからか、留学生の面倒を見てきていました。きっとホームステイなどで、時々日本人留学生を受け入れていたのだと思います。

またご主人はとある業界では著名の方で、日本からその業界関係の人達が頻繁に訪ねて来ていました。その際彼らは、夫人同伴で来られることも度々あったようです。そしてこのご家庭の奥様は年齢的にはもう“おばあさん”なのですが、この家庭に代々出入りしている日本人留学生が“オバサン”と呼んでいるので、学生仲間はみんな“オバサン”と呼んでいました。

この“オバサン”が我々に時々言っていたことは、日本の週刊誌や月刊誌が日本人をダメにしていると……。特に女性雑誌はダメであると仰っていました。きっと日本からの来訪者が雑誌を持ってきて、日本の雑誌のことを知っていたのだと思います。

別の州の大学に転校した4年目以降は、戦争花嫁の方々との交流がありました。ここでいう戦争花嫁とは、ベトナム戦争の時に日本に滞在していたアメリカ軍人と結婚した人達のことです。この“戦争花嫁”の方々も、時々日本からの留学生の面倒を見ることがあったようです。そしてこの方々も同様に、日本人の劣化を指摘していました。

余談ですが、この“戦争花嫁”の方々の中には、大変苦労をされた方も多くおられます。人種差別が激しい時期に白人以外の人と結婚された人や、アメリカに到着した途端に捨てられた方も少なからずおられます。遊び目的でお付き合いしていた軍人もいたでしょうし、日本人との結婚を許さないアメリカ兵の親もたくさんいたようでした。

このことから想像するに、1960年代以前の日本人留学生は、きっともっと評価が高かったのだと思います。遡れば明治や大正期にも日本人の留学生が欧米諸国で過ごしており、その中で著名な人物の一人が『武士道』を書き上げた新渡戸稲造でしょう。この時代と比べると、日本人がもともと持っていたよい心はどれだけ失われたのでしょうか?