第一章 注射にしますか、お薬にしますか?

我がハゲ頭を愚考する

高知県、足摺の樫西(かしにし)にグレ釣りに行った。
帽子を忘れているのに気が付いた。
当日はカンカン照りで、帽子なしでは耐えられそうもない。
渡船の中に天の抜けた古い麦わら帽子を見つけた。
天がなくても、タオルを入れて被れば縁があるから十分だ。船長にその麦わら帽をもらって磯に降りた。

ところが今度はタオルがない。

朝のうちは斜め上空からの日差しで、天の抜けた麦わら帽でも役立った。
だんだん日が昇ってくると、「禿げ頭」に直射日光が差す。

風でも吹けば、風通しが良くていいのだが、風もない、頭のてっぺんだけが日焼けする。このままでは日焼けで禿げ頭の皮が剥けてしまう。

直射日光を避けるため、片方の縁を下向きに折って首を横に傾げた、これはいい。
光の直進性と、照射角を考えたのである。
こんなところにも、日頃の科学的思考習慣が役に立つ♪