「ほとんど三千服だね」
錦生とは反対側に座った斗真はモニターを動かし、キーボードを引き取った。
会計の仕事とばかりに、早速経費計算のために別シートに「御礼茶会経費計算」とタイトルをつけて、数字を打ち込んでいる。冷静に対処しているように見えるが、頻繁にボブの前髪を汗を拭くようにかき上げている。不安材料を抱えている時の斗真の癖だ。
と、反対側を見ると、錦生も落ち着かなげに、くせ毛から覗く耳たぶを引っ張っている。
「うちでスケジュールを立ててみた」
そう言って柊はA4の紙に印刷した暫定スケジュールを二人に配った。
「年末年始以外の冬休みと春休み、土日祝を使って、一日十人八席で回してなんとか終わる計算だ」
「一日八席って、朝九時から始めても五時までって……現実的じゃない」
「それに土日祝ずっとって、休みなしってこと?」
「そこはシフトを作って、担当の調整が必要だと思う」
現実的ではないという斗真の指摘も、休みなしで部活なんてありえないという錦生の言い分ももっともだ。
「調整って……いくらなんでも無理なんじゃぁ。六人しかいないのに?」
茶道部員は二年生三人、一年生三人だ。
客の案内、準備、本番の点前や運びなどの役割分担を考えると、茶会にはぎりぎりの人数だ。
二人が言っていることもわかる。とはいえ、一回の茶会の時間を一時間以内に設定するのも難しい。
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