【前回記事を読む】同僚(兼セフレ)が「彼女さんに会ってみたい」と言い出した。しかも社食で…急に何故?キッチリ割り切っていたはずなのに…

「火点し時」 

翌日はみどりとの逢瀬の日だった。いつものカフェで、堂々巡りが続いていた。

「異動したらちょっと遠くなるから、今の内に一度行ってみたいの、本当にそれだけよ」

「何もわざわざ……」

会わせたくはなかったが、どうも気は変わらないようだ。何か言われたら困るんだけど……。

「もう、いいじゃないの。さ、行きましょ」

ホテルへ移ると、早速みどりが告げた。

「もう終わりにしたいの、この関係を」

「えっ?」

思ってもみなかった言葉に優人は動揺した。特にケンカとかしたわけでもないのに。

「異動で物理的に距離もできることだし、ここらが潮時じゃない? こんな関係も」

「別に遠い地方に行くわけじゃないだろ。普通に会えるじゃないか、横浜から本牧なんて。理由にならないよ」

みどりは小さなため息をついた。

「……彼女持ちといつまでも付き合っていられないのよ。新しいとこで心機一転頑張りたいの。楽しかったけど……もう、いい」

「……飽きたってこと?」

「そう思うんならそれでもいいわ。どうする? 今日はしない?」

「……彼女と別れてほしいわけ?」

「まさか! 悪いけどあなたに惚れてないから、私。もちろん嫌いじゃないけど、たまたまこうなっただけだし……。ただ、長引くと嫌いになるかも。だって浮気者でしょ? 私には関係ないけど、もしトラブルがあったら嫌だから。私もそろそろ真面目に付き合える人を見つけたいのよ。一番に想ってくれる人をね。そういうものよ?」