第1章 「発達」と「障害」

障害の認定

いつ障害が認定され、手帳が発行されるかですが、先天性障害については判定後すぐ申請できますし、また身体障害の非可逆的障害(手足の切断など戻ることがないと考えられる障害)も診断され状態が落ち着けば、診断書を書いてもらい申請できます。

それ以外、何らかの疾病により障害が残った場合は、6ヵ月の経過後になります。障害手帳においては初診から6ヵ月目を障害認定日と言います。障害認定日以降に診断書を書いてもらい申請します(ちなみに障害年金は1年6ヵ月を障害認定日としています。法律によって異なります)。

考え方としては、疾病の発生、初診以降半年をめどに治療およびリハビリに専念し、それでも残った障害について認定します。

するとここで疑問が出てきます。

発達障害で、幼少期から知的障害を伴っている場合は、判定後、知的障害者の手帳の該当となります。しかし大人になってから、精神症状を呈し精神科に受診し、6ヵ月ののち精神保健福祉手帳の該当となります。先に発達障害は生来の脳神経の問題であると書きましたが、本来的には先天性障害のはずなのですが、実際はそうではないということになります。

大人になってからわかるということは、大人になるまでは何らかの特徴があっても問題にならず、障害とは認められず、大人になってから問題となり、障害として考えられるようになったということです。ここで障害と考えられるのは、日常生活の支障、主としてコミュニケーション、社会性の問題です。

ブーメランがもう一度戻ってくるような複雑さがあり、どう考えたらよいのか難しいところがあります。しかし発達障害の現実のニーズがありますから、制度的にこのようになったのも十分理解できますし、現代的な課題に対する奮闘と流動性を感じます。