しかし、果たしてそれでいいのか? ということです。これぐらいでタンパク質の量を判断していては、どうしようもないですね。アミノ酸はDNAにとって必要不可欠なほど重要なものですから。

ところで、人間の遺伝子はいくつあると思いますか?

中村:1000個ぐらいですか?

溝口:いや2万3000個あると言われています。それはDNAによって並べられますが、並べ方によって10万種類のタンパク質が作られます。タンパク質はアミノ酸を100個以上も並べて作られています。

人それぞれ、そのタンパク質を作るための能力が異なりますし、能力がある人もいれば、ない人もいます。多いものになると一つのタンパク質に1万個ものアミノ酸がつながってますからね。

そのタンパク質作りに必要な助っ人が酵素タンパクと一緒に作業するビタミンやミネラルです。タンパク質だけを重視するのではなく、微量栄養素も同じくらい重要だということです。

タンパク質、脂肪、炭水化物は多量栄養素に属しますが、ビタミンやミネラルは微量栄養素に属します。それらは人体の発達や代謝機能を適切に維持するために必要なものです。

そのビタミンやミネラルの量が足らなければ、当然のようにタンパク質を作る能力が低くなります。なにせ、タンパク質は10万種類もあるわけですから、そのすべてのタンパク質作りに必要な作業員(ビタミン、ミネラル)が不足するとなれば十分なタンパク質を成り立たせることができません。結果、タンパク質不足による病気にかかりやすい体質になるというわけです。

中村:タンパク質が非常に大切で、その大切なタンパク質を作るにはビタミンとミネラルの働きが必要不可欠だということもよく理解できました。そして、10万種類というタンパク質を作るためには、まんべんなく体の中にビタミンとミネラルを送り込まなければならないということなんですね。