NYの緯度はロンドンより低い(南の方)のですが、冬のこの州はかなりの寒さになります。よくブリザードや豪雪などでニュースになり、耳にしたことのある方も多いと思います。冬のジョン・F・ケネディ国際空港を含む周辺の空港は雪が降ると時刻表なんてあってないようなもの。
しかし何よりも、マンハッタンのビル街の風はなめてました。ただでさえ寒いのに、それに拍車をかけるように強烈なビル風が街を吹き抜けるのです。歩行することさえ難しくなるほどの強さです。氷点下の中この風により体感温度はとてつもない低さになります。
フードの周りにふわふわついているファーすら凍るんです。耳は冷たいを通り過ぎて痛みしかありません。耳が取り外せるものなら取り外したいほどです。
ホームレスはとても外では生きていけません。市や非営利団体がシェルター(避難所)を設けて助けようとはしていますが、毎冬多くの方が命を落とします。地下鉄の駅に逃げこむ人々もいますが、これといった解決策はありません。低所得者だけでなく、移民や不法滞在者の多い街、差別の問題とともに簡単に解決できない問題です。
YMCA
さて貧乏学生の旅です。もちろん高級ホテルに泊まれるようなお金なんてありません。なるべく安い宿を、とにかく犯罪の少ない地域でと探しました。海外に住んでいると、危険な匂いを察知できる能力も否応なしに身につきます。
そこで我々が選んだのは、マンハッタンにあるYMCAの宿泊施設でした。YMCA(Young Men's Christian Association)とは、キリスト教の精神に基づいて事業を行っている団体です。
分野は、教育や福祉、スポーツなど多岐にわたります。Christianという名前が入ってはいるものの、コミュニティのつながりを重視している団体なので宗教色はありません。金儲けではなく奉仕組織なので、低所得者にも優しいですし、お金を分捕られることもないだろうと。そういった理由でここに決めました。
ですので我々が泊まった部屋もとても質素で、二段ベッドが四つあるだけの空間でした。屋根があって暖が取れればいいと思っていたので、特に気になることはありませんでした。むしろ思っていた以上に快適に過ごせた記憶があります。
👉『脱サラパイロットのBird's Eye View』連載記事一覧はこちら
【イチオシ記事】彼は私を強く抱きしめ、愛していると言った。私には夫も子どももいるのに…。それからおよそ30年、彼との不倫関係が始まる