「……私を抱いて。貴方に抱かれたいの……初めてだから面倒をかけるかもしれないけど、私を抱いて!」
「冗談はよしてくれ! 君、何を言ってるのか自分でわかってるのかい?」
「私、本気よ」
「僕は、僕は……そんな下心があって、君を部屋へ呼んだんじゃないよ」
「わかってます。でも、私、今、そうしたいの」
神矢は私の瞳をジッと見つめた。長いこと、そうして私達は見つめ合った。
神矢が立ちあがった。私も立ちあがった。私達はテーブルを離れて、一緒に立ち、私は神矢に近づき、彼の右手に両手をそっとふれた。
その一瞬で、私の体に電流が走った。神矢は私を見つめたまま、私の左手を急に握って、引っぱった。私は、神矢について歩いた。ベッドルームに入った。
神矢は黙ったままだった。部屋のカーテンはひかれていた。
私はワンピースの前開きのボタンを上から順々にはずしていった。はずし終わると、ためらわずサッとそれを肩から脱ぎ捨てた。
続いて、パンティストッキングを脱ぎとった。それから無造作に白のスリップのレースの裾を持ち、まくり上げて、長い髪をよけて頭から脱いだ。次に白のブラジャーの後ろのホックをはずし、腕を抜いてとった。私の小ぶりの胸があらわになった。
最後に白のパンティを脱ぎ下ろした。素っ裸になって、私は突っ立っていた。私はどうしたらいいのかわからず、そのまま立っていた。腕を組んでジッと見ていた神矢の顔が、笑っているようにゆがんだ。
「ホワイトデーに読みたい大人のときめき恋愛ピックアップ 」は今回で最終回となります。ご愛読いただきありがとうございました。
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「君は全く子供みたいだ。男を知ってる女なら、そんな脱ぎ方はしないよ。もっと勿体ぶって、じらして脱ぐもんだ」
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50歳で身寄りのない私。昔は母に似て美人だとよく言われたが、美人は嫉妬され、偏見で見られ、足を引っぱられ…