はじめに

私は小児科医として約40年間医療に従事してきました。昭和、平成、令和という時代の移り変わりとともに医療の現場を見続けて感じたのが、「食」の重要性です。「医食同源」とはよく言われる言葉ですが、まさにそれを実感することばかりです。食べるものによって病気にかかったり、かからなかったりと、「食」は健康を大きく左右します。

私は医師として、一人でも多くの方が健康で幸せな人生を歩んでほしいと願っています。「食と病気の因果関係」「食事・食材の大切さ」など、私の考えや想いを広く知ってもらいたいと本書を執筆するに至りました。

この本では、医師としての経験や知識はもちろん、統計データなどによる客観的な分析・判断を加え、特定の病気・症状と食の関係性を解き明かしながら、健康に関するさまざまな問題に対処・解決できるような内容をお伝えしています。

私は小児科医ですので、特に未来あるお子さんたちにはきちんとした食事をすることで健康で活力あふれる生活を送ってほしいと願っています。食事は素材を選べば安全でかつ抜群に効果を発揮するワクチンのようなものです。本書を参考に食事や食材を見直し、健康で長生きできる体に改善しましょう。

本書を読み始める前に

本書では、特定の機関や論文などで公開されているデータを基に統計的な分析を行いながら、それぞれの話題・問題について説明・解説を展開したり、自説の根拠として活用しています。本書の内容に納得していただくために、予備知識のある方には余計なお世話になるかと思いますが、回帰分析について説明させてください。

回帰分析とは統計解析の一種で、「二つの独立した因子に対して、相互に何らかの関係があるのかどうかを検討する方法」のことを言います。回帰分析の具体的な手段としては、「散布図」と「相関係数」があります。