私は勇気を出して聞いた。

「お前の名は」娘は答えた。

「イオアンナ……イオアンナ・カチョル」

「アンデション、俺はアンデションだ」

「お前の年はいくつだ」

「14」

「俺は17だ、お前と同じくらいの妹がいる」

次にどこから来たのか聞こうとした時、突然後ろから肩をたたかれた。船に戻って見張りを交替する時間だった。私は首にかけていたセイウチの牙で作られた首飾りを急いでイオアンナに渡した。

私は振り返ってもう一度イオアンナを見た。彼女は遠ざかる私をじっと見ていた。小舟に乗り船に戻った。

【11日目/晴】

翌朝になり浜が騒がしい。

何が起こったのか、ほどなく騒ぎの原因を知った。昨夜、仲間の一人が娘の一人を連れて逃亡を図った。二人は見張りに捕まり、今朝、裁判が行われる。

男は大事な荷を盗もうとした罪で死罪となる。この後、斧で首を落とされる。娘は愛する男を失い、次の港で降ろされ売られる。

男の名はラーション。私のよく知る人物だった。子供の頃その男から狩りや漁のやり方を教わった。誠実で優しく勇敢な戦士だ。フランクとの戦いで敵の騎士に一対一の戦いを挑み見事に倒したという伝説がある。

大人が言う。荷が若い娘の時はこのようなことがまま起こると。