先ほど触れたパナソニックの第3四半期決算直後に株価が急上昇した1週間後に、外資系証券会社のアナリストが、投資レーティングを「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価を引き上げました。これを受けて、数日間に大幅に上昇した株価はさらに3%程度上昇したのです。

好決算を受けて、株価がアナリストの従来の目標水準を超えてきた場合、アナリストがアップデートレポート発行の際に投資判断を下げるのであれば、機関投資家は利益確定売りを考えるのですが、業績や事業計画の内容がアナリストの想定を上回るもので、目標株価を引き上げるのであれば、まだ保有していてよいと判断できるからです。

アナリストマーケティングは機関投資家のインプット期間

決算発表後のアップデートレポートが終了すると、アナリストたちは海外マーケティングに出かけることになります。

ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドン(エジンバラを含む)、香港、シンガポールが定番で、私もアナリスト時代には、2か月に1回程度、いずれかの地域に出張をしていました。多い日には1日10社の機関投資家を訪問し、1時間のミーティングを行います。

そこで、ポートフォリオマネージャーやバイサイドアナリストたちに一番訊かれるのは、トップピック(カバレッジのなかで最も強い買いを推奨する銘柄)とトップショート(売り推奨のなかでも、最も弱気の銘柄)です。

出張中、現地で同業他社のアナリストとすれ違うことも頻繁で、だいたい時期が集中します。さらに、事業会社のCFOやIRもこの時期、機関投資家を訪問します。私の経験では、この時期には株価の大きな変動はあまりないと思います。

機関投資家にとっては、アナリストや事業会社の経営陣と膨大なミーティングをこなし、インプットを高める時期で、ポジションの継続でよいかどうかの確認作業になることが多いからです。

次回更新は3月7日(土)、8時の予定です。

 

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