【前回記事を読む】「買い推奨」の裏でプロの投資家は売っている? コンセンサスに惑わされず、「ヘッジファンド」の先回り売買に便乗する投資法
第2章 決算発表前後のアナリストの投資判断に学ぶ
決算発表前に陽線が続く場合も要注意
一方、対照的なのは、富士フイルムの25年3月期第3四半期決算です。2025年1月以降、半導体分野への設備投資拡大を受けて、株価は回復していました。
第3四半期決算は市場コンセンサスを若干下回るものでしたが、年度会社計画は据え置かれたので、若干株価が下落するのかと思いました。
しかしながら、恐らく担当のアナリストたちは、最重要成長分野の業績が想定以上に低水準で、他の事業セグメントでカバーする格好で、当初計画を据え置いたことに落胆したのでしょう。
株価は決算発表後2日間で約10%も下落しました。もし、1月に入ってからの上昇トレンドに乗って、決算発表を跨いで持っていたら、大きな損失となったでしょう。
私は、個人投資家の皆さんの、決算前1か月間のトレードに反対するわけではありません。ただし、トレンドに乗ったのなら、遅くとも、決算発表当日の朝に手じまいしたほうが、利益を確保する可能性が高いことを知っておいていただきたいのです。
決算後の業績アップデートレポートでは株価は動かない
先に述べさせていただきましたように、決算発表後の業績予想や目標株価の変更レポートは、決算発表後1週間以上経過してからがラッシュを迎えます。
決算発表日に短いレポートで、「会社取材後詳細をアップデートする予定」として、業績予想の変更を伴わない、ファーストインプレッションのみを記載したレポートが既に発行されていますから、株価はアナリストたちのアップデートレポートの方向性を既に織り込んだ状態にあります。
したがって、実際にアナリストからのレポートが出ても株価はあまり反応しません。少なくとも、逆には動きません。
ポジティブな決算内容を受けて、アナリストは業績予想を上方修正し、目標株価を引き上げたり、投資レーティングが「中立」だったアナリストが、「買い」に引き下げる可能性があるからです。
個人投資家の皆さんは、この時期は銘柄選別やエントリーをするのに時間をかけられる時期と言えます。たいていアメリカ企業やアジアハイテク株の決算発表は日本企業より早く終わっていますから、同様に考えられます。
また、決算跨ぎで保有していた銘柄が決算発表直後に上昇した後も、アナリストのアップデートレポートで株価が支えられるケースは少なくありません。