アシュラは移動カプセルに乗って、アンドロメダ銀河にあるリンネ計画センターから何度かのワープを繰り返し、やっと地球にたどり着いた。アシュラはリンネ計画センター刑務所の刑務官で、フォントス追跡、捕獲の指令を受けて長い旅をしてきた。
木星にあるリンネ計画センター遠隔監視サイトの高感度生命エネルギーセンサーは、フォントスの生命エネルギーパターンを日本の横浜地区に検出していた。その情報をもとにアシュラは横浜の海の公園近くに着陸した。
アシュラもフォントスと同様に、人に乗り移らないことには、物質界には長く留まれない。死期を迎えようとしている人が必要だった。
木星の巨大知識ベース・ジュピターに、「近くに病院があるか?」と問い合わせてみると、「大学病院がある」と回答してきた。そして、ジュピターに病院の正確な位置を送らせた。海の公園の上空を旋回し付近を確認すると直ぐに病院を発見できた。アシュラは乗ってきた移動カプセルを病院の近くの海の中に乗り捨て、病院に入っていった。
そして、弱々しい生命エネルギーを三階に発見した。三階のICUでは長谷川が今まさに死を迎えようとしていた。
アシュラは死にかけた体から今にも離脱しようとしている長谷川の生命エネルギーを体に押し込めた。そして、百会という頭頂部のツボから体に侵入し、長谷川の生命エネルギーを自分の生命エネルギーで包み込んだ。長谷川の頭の付近がオーラのような光を暫く出していたが、長谷川の幼い娘以外は誰も気づかなかった。
長谷川の本来の生命エネルギーを昇天させ、長谷川の体だけを借りてアシュラの生命エネルギーと入れ替わることも可能であるが、全く人格が変わるだけではなく、長谷川の記憶が失われてしまうのだ。長谷川本来の寿命は尽きているのだが、アシュラと合体してフォントス追跡に役立ってもらうことにした。
アシュラが乗り移って暫くすると、長谷川の血圧、心拍数が正常になり、息遣いも穏やかになった。長谷川の家族はICU近くの待合室に移って待機していたが、アシュラが長谷川に乗り移って数時間後、担当医から長谷川の容態が峠を越えたと告げられた。劇的な回復に、妻の美幸は涙を流しながら立ち上がって、何度も何度も担当医に頭を下げた。
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