1 「ガバナー」からのその後
私は、二〇一七~二〇一八年度の国際ロータリー(RI)第二八四〇地区のガバナーを務めた。それから約七年が経つ。その間、いろいろな出来事があった。
仕事上では、二〇二二年三月に奉職していたTK大学を定年(六五歳)で退職し、専任の教授から名誉教授になった。
その時、米山記念奨学会で親しくしていただいているMS信託銀行元社長のFK氏からは、こう言われた。
「田中さん、『名誉』と付く称号の本当の意味が分かるかね?」
「分かりませんねえ? 『一丁上がり』って意味ですか?」
「違うよ。その意味は『もう、カネ(給料)は出さないよ』っていうことだよ」
「僕も、今年から『名誉顧問』という役職になったから、いまじゃ給料は出てないんだよ」
「でも先輩には、運転手付きの送迎車がまだあるじゃないですか? 私にはもう何にもありませんよ」
その後は、TK大学には週一回だけ通う非常勤講師になった。その一方、通信教育学部を作ろうとするNS大学からは特任教授で来て欲しいとの依頼があった。大学は、新学部や大学院を開設する際には、文科省の厳格な審査を通過する必要がある。
それは、財政的な審査と教員の質の審査の二本立てだ。その審査に要する書類は四トン・トラック一杯分もあると言われているほど厳しいものだ。どちらにも合格しないとその計画は継続審査対象になって、翌年度以降に見送りになるのだ。
私は、以前に文科省の教員審査「D◯合」1にパスした実績があるので、先方はそれに期待した。もちろん今回も私の教員審査は通過した。文科省の審査結果は、その後どこの大学の審査でも通用する。大学教員にとって一生モノの財産なのだ。
1 大学院博士後期課程においてゼミナール(演習)を担当できる資格。学生に博士号を授与できる資格だ。
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