【前回の記事を読む】大学生の集めたお金で運営され、中学生は参加費無料。監視役もなし。このキャンプの目的は一体? 実は、彼らはみな…
Chapter1 天変地異
「きみにお願いがあるんだけど」林は手を引っ込めて笑みを浮かべた。
「きみ、中学生のリーダーをやってくれないか」
「え?」川田は怪訝な表情を浮かべた。
「何で俺? 中学生は他にいくらもいるでしょ」
「きみのこと、顔も名前も憶えてたから」
「俺、マジで嫌なんすけど」川田は心底不服そうだ。
林は川田の耳元に口を寄せ「ぼくの真後ろの、先の方を見て」
川田はしぶしぶ黒目を動かした。林の肩越し一〇メートルばかり先に、観光案内所の建物が見える。その陰に二人の大学生が立ち、こちらを見ている。