大学生による簡単なオリエンテーションが終わった。キャンプ場広場に緩んだ空気が漂う。
「川田(かわだ)君」
いましがた全員の前でスケジュールを説明した白Tシャツの大学生が、そばにいた長髪ピアスの男子中学生に声を掛けた。
「きみ、去年も参加してくれたよね。ぼくのこと覚えてる?」
川田は細い眉をひそめた。確かに見覚えはあるが、名前は覚えていない。
すると、「林(はやし)だよ。今年も全体リーダーをやってる。よろしく」
大学生は生白い腕をぬっと差し出した。
川田は握手には応えず、ほんのちょっと会釈をして目を逸らした。
次回更新は1月22日(木)、22時の予定です。
▶この話の続きを読む
なよなよして頼りなさそうだけど、どっか切れるところがあるんだよな
【イチオシ記事】「明るくて…恥ずかしいわ」私は明るくて広いリビングで裸になる事をためらっていた。すると彼は「脱がしてあげるよ」