陽だまりでエロス?
モデル 愛情深い者同士なのに、なぜか対立している男女 共に四〇歳
彼は 律儀(りちぎ)で慎(つつ)ましく暮らす小市民
半径十メートル以内で起こる ささやかな出来事を日々慈(いつく)しみながら生活している
奥さんとは 近所でも評判のおしどり夫婦で
結婚十五年目を迎えても 新婚の頃と変わらず
平均して週に二、三回はセックスを楽しんでいる
月に最低一回は子どもを実家の両親に預(あず)け オシャレをしてデートをしている
「いってきます」「ただいま」のチューも新婚の頃から欠かしたことはない
台所で夕食の支度(したく)をしている奥さんを
未だに背後から抱きしめて 「いつもありがとう」なんて呟(つぶや)いたりする
勤務時間中にもかかわらず ふと「早く帰ってセックスがしたい」と
奥さんの裸体と昨晩の柔肌の感触を思い返しては
中年になった今でも密かに勃起(ぼっき)している
そんな彼は 三連休以上あれば
家族皆と各地の観光地やキャンプ場へ出かけ 新しい思い出づくりに精を出している
普段の週末は 三人の子どもの習い事の送り迎え
大会やコンクールの応援とやらで何かと忙しい
どこでも子どもの写真や動画を撮りまくり メモリいっぱいに貯(た)めこんでいる
奥さんと子どもたちをこよなく愛し 彼にとっては 家族の幸せがすべて 一番なのだ
「目の前にいるかけがえのない人々のために生きる」
それ以外に望むものなんて彼にはなかった
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