【前回の記事を読む】身体中に管が取り付けられ身動きがとれない。頭は朦朧するが麻酔が切れると傷口がすごく痛む…人体実験をされているような…

第1章 突然の発症、そして緊急手術

入院(ICU・HCU・一般病棟)

【一般病棟】

その後、何日かして手術をされた副担当医師が、突然病室に来られました。

副担当医師は、

「お腹を切除した脂肪の部分が、炎症を起こしているので消毒します」と言われます。夏だったので、化膿したのでしょう。

私は古い人間ですから、

「オキシドールで消毒するのですか?」

と尋ねると、返ってきた答えは、

「オキシドールは、細胞を傷つけますから真水で洗います」と言われました。

手術でお腹を切除したあとは、筋肉は糸で縫ってありますが皮膚はホッチキスで留めてあります。ホッチキスを外して、皮膚を開いて真水で洗浄するのだそうです。

それもこの病室のベッドの上で!!

(ひえ~~~容赦ないですね~~~)

付き添いの看護師の方が、私のベッドの上にビニールシートを敷いています。

副担当医師から、

「ベッドの上に寝てください」と指示があります。

(覚悟を決めないといけません!!)

副担当医師は、部分麻酔注射を打ちながらホッチキスを外しています。私は、「痛い、痛い」と叫びます。その都度、部分麻酔注射を打たれますが、意識がはっきりしていて処置の様子が見えていますので、さらに痛みを感じます。

同室の患者さんもおられますが、見かねたのか、「ガンバレー」と声援を送ってくれました。

皮膚をガバッと開いて、ガーゼに沁み込ませた真水で炎症を起こしている部分を洗うのです。

終わったら、部分麻酔注射を打ちながらホッチキスで留めていきます。またまた、痛みとの闘いです。

 

思いもよらない処置により、私のお腹の傷跡は真っ直ぐではなく、蛇行しています。胃の手術のときも緊急でしたので、急いで切除されたのでしょう。

命が救われましたので、ぜいたくは言えません。

一般病棟での後半は、ゆっくりできました。時間が身体を治しますので、のんびりとしているだけです。総合病院の中は自由に歩けますので、あちこち動き回っていました。 気づいたのは、患者が運ばれて来る救急車の多さです。一日に10台以上の救急車が入って来ます。その様子をぼんやりと眺めていました。

そしてついに、退院する日が決まります。