「一緒に全部の参観灯台へ行こう!」

マイペース過ぎるイケちゃんからの提案に、知り合ってから日が浅いお姉さんはイラっとしてしまう。けれども、お姉さんは少しずつイケちゃんを理解するようになり、最終的には参観灯台完全制覇を受け入れた。

「お互いをもてなすつもりで、交互に旅の計画を立てよう!」

お姉さんの提案により、旅の質が向上することを目指(めざ)した灯台めぐりは、有名観光地もセットで訪問する方式となり、充実した旅をくり返して、約2年半後に参観灯台完全制覇を成し遂(と)げた。

この旅を通して、仲の良い姉妹のようになったふたりの渚。参観灯台を完全制覇して一区切りとなるはずだったが、別れが寂しいふたりは、まだ行ったことがない灯台と観光名所をめぐる旅を再スタートさせる。そして、それぞれの渚に、「運命の人」となる男性との出会いがあった。

イケちゃんは高校時代の同窓会で、高校二年生の時に告白をしてきた男性と再会した。お姉さんは親友から誘われた合コンで、自分のことを気に入ってくれている男性と出会った。

イケちゃんにとって10年ぶりの再会は、ほぼ初対面の印象しかなく、とりあえずデートしてみて相手を探(さぐ)ろうとした。戸隠(とがくし)神社へ出かけた日に、彼の純粋な心に惹(ひ)かれて、そのまま付き合うようになっていった。やがてイケちゃんは、真彦のことを「マー君」と呼ぶようになっていた。

お姉さんは、合コンでの会話が盛り上がり、まずは友達からという関係性でスタートした。恋愛に積極的な彼氏に影響されて、お姉さんは一緒に過ごす時間が楽しいと思えるようになった。

最初のデートで、お互いの本音を語り合い、そのまま付き合うようになっていった。親密さが増した頃から、お姉さんは年下である俊彦を「トシちゃん」と呼んでいる。