はじめに

株式投資を行う際に必要な値動きの分析方法には、「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の大きく2種類があります。

「ファンダメンタルズ分析」は、市場を取り巻く経済的要因から値動きを予測する方法です。これに対して「テクニカル分析」は、過去の値動きをチャートで示し、その形などから今後の値動きを予測する分析方法です。もちろん、どちらが有効ということではなく、投資スタイルによって使い分けたり、2つの手法を組み合わせて使うのが基本です。

本書は、過去の値動きの法則性を基点とした「テクニカル分析」のテクニックをマスターし、株式投資で利益を得る指南書となることを願って執筆いたしました。「テクニカル分析」では、株の値動きをグラフ化したチャートを主なツールとして使いますが、本書では100以上のチャートおよびデータを掲載しております。

これらは、専業トレーダーである私が株式投資の講習会においてテキストとして使用していたものです。テクニカル分析の書籍は多々ありますがその成功率が書かれたものはほとんどなく、だったら自分で書いてやろうと思ったのが本書の執筆のきっかけです。私のデータをお見せすることで、皆さまが多様なチャートを読み解き、株価予測の精度を高める一助となれたら嬉しく思います。

データは、2020年から2024年を基点に、そこから20~30年ほどさかのぼって集計したものです。何も表記していない場合は、基本的に日足のデータです。データを取るときはツールを使用せず目視で行っています。

なので上がるとカウントするか、下がるとカウントするか、もしくは変わらずとするかで迷うことも多く、そのあたりの事情で統計に多少の違いがあることをご了承ください。ですが目視で行うことによりチャートのさまざまなサインを確認することができ、ツールで取ったおかしなデータを発見できるようになるものです。チャート分析力を高めるには目視で行うほうがよいと考えています。