【前回の記事を読む】チャート100枚が語る――ツールに頼らず“目視で読み解く”テクニカル分析の真髄

1章 買いと売りのタイミングを予測する

どのタイミングで買い、どのタイミングで売ればいいか

株の買い方・売り方のタイミングには、さまざまなシグナルがあります。1章では、テクニカル分析によって「買い時」「売り時」をうまくつかめるよう、さまざまなパターンから読み解いていきましょう。

以下、本書において「上がる」「下がる」と書いているのは、基本的に終値ベースです。また、「買い」または「売り」は、寄り付きのほうが良い場合と、引け前のほうが良い場合があります。

その前に、基本的な事柄を整理しておきます。

株や通貨等の値動きを表すチャートは、1つのローソク足が時間軸を変えて表示されます。

たとえば、「日足(ひあし)チャート」は1つのローソク足が1日の値動きを表し、「週足(しゅうあし)チャート」は1週間の動き、「月足(つきあし)チャート」は1ヶ月間の動きを表します。

また、5分足、15分足、1時間足といった短い足のチャート(時間足)もあり、通常は長い期間を見て大きな流れを捉え、次に短い時間のチャートを見るのが定石とされています。

本書で多々記載しているPOとはパーフェクトオーダーの略で、下から順番に50日移動平均線、25日移動平均線、5日移動平均線と並び、その移動平均線のすべてが上を向いている状態で株価が上がりやすいときのことです。

逆POとはその逆で上から順番に50日移動平均線、25日移動、5日移動平均線と並び、その移動平均線のすべてが下を向いている状態で株価が下がりやすいときのことです。

また、チャートには、ローソク足と一緒に横長の線があり、これは「移動平均線(MA:Moving Average)」と呼ばれます。

移動平均線は、当日を含めた一定期間の終値の平均値をグラフ化したものです。短期線(日足なら5日線)、中期線(日足なら25日線)、長期線(日足なら100日線)などがあり、たとえば5日移動平均線なら、過去5日分の終値を合計して5で割った値が当日の移動平均線となります。

移動平均線は、相場の大まかな流れやトレンドを把握するための便利なツールです。基本的に、移動平均線が上向きなら上昇トレンド、下向きなら下降トレンドとされています。

また、ローソク足は「実体」と「ひげ」でできており、実体とは、始値と終値にはさまれる部分です。始値より終値が高ければ「陽線」、安ければ「陰線」と呼ばれます。