夜を駆ける

最初の異変、体と心がだるい時、横になりたいがそこから睡眠に入ってしまうのが恐怖。眠りに入ると体外離脱する。(信じるか信じないかはあなた次第)

体が少しずつ天井に向かって昇っていく、ベッドを掴んでも昇っていく。その気持ち悪さは説明できない。体がベッドから離れ壁へ、壁から天井にそして天井をコロコロと転がる。

天井から落下しそうで大声で助けを求める。

恐怖で目覚めた時、心臓は早打ち、寝汗。私はどうしてしまったのか。

追伸

それからは、天井から空を飛べる、スーパーウーマンになったのだと自分に言い聞かせた。

幽体離脱と体外離脱の違いが分からない。

うろうろ

食欲がない。地震かと思うほどのめまい。

犬の散歩の途中、道に座り込んでしまう。

昼はテーブルに顔を付けうずくまる。

家族への食事の支度は這うようにキッチンへ。

5分が限界で泣きながら料理をする。

あの当時は全てが苦痛でテレビも見られない、電気もつけない。帰宅した人が電気をつける。今考えると家族に迷惑ばかりかけていました。娘に「この家ほんと、暗くねー」と言われた。「ごめんね」としか言えなかった。

追伸

夕方、ひとりでいると不安が襲ってくる。

部屋の中をうろうろする。

手に包丁を持ち、よろけながら疲れ果てるまで歩いた。

次回更新は9月17日(水)、18時の予定です。

 

👉『迷子 うつと離婚と私』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】その夜、彼女の中に入ったあとに僕は名前を呼んだ。小さな声で「嬉しい」と少し涙ぐんでいるようにも見えた...

【注目記事】右足を切断するしか、命をつなぐ方法はない。「代われるものなら母さんの足をあげたい」息子は、右足の切断を自ら決意した。