説明し終わると、改めてこっちを射貫くように見つめてくる。その視線を払うように、早口で問い掛ける柚子。

「なるほど。富貴家のことには詳しいと言いたいのね。じゃ柘植家との繋がりは?」

私たちは話しながらも駅内に入り電車に乗った。

「うちもやはり出自は三重県だ。先祖を辿ればどうも水軍らしい。その後尾張に出て明倫堂で子息は学んだ。明倫堂は尾張藩の藩校で武士の子弟の他、ある程度の市井の者も入塾することができるところだったんだ。

そんなところで学び教育においての人間形成ひいては国の成り立ちを思いやって、教育者として教育の現場へと繋がっていくことになる。私の曾祖父は貴檣高校の校長だった。家紋は左三つ巴で水の渦を表している」

「私たちの知らないことも知っているから、宝探しに加えるといいぞということね。まぁみんなに話してはみるけど。あなたの人柄を嫌う人もいるから期待はしないで」

 

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