日記
寒村の実家から持ち出した
学生時代の日記を読み返すという哀しいくらい地味な作業を
野山の散歩の合間に始めてみた
中学最初の頃に書いていた日記は
正直かなりしんどかった
解読不可能な文字や誤字脱字は言わずもがな
内容自体があまりにも稚拙で
顔から火が出るどころか
上半身が黒焦げになるくらいの破壊力があった
高校時代に書いていたものは
誤字脱字はそれ以前より少し減ったが
思春期特有のヒロイズムや
当時好きだった女の子に対する
屈折した愛情の表れにより
それを読み返す苦痛は
中世の拷問道具にまさるとも劣らなかった
大学の頃の日記は
当時読んでいた書物の関係で
単語や表現こそ一見難しくなったが
当時はまっていたソシャゲやネットのバーチャル空間に
自分の重心の半分以上を置いているのが鼻につき
結局何も見えていないのではないかとも思えた
えてして人は
自分の考えたいように考える生き物である
ここで自分は
過去の自分や文章はまるでなっていなかったが
現在の自分はその反省の上に多少はまともになった
と考えようとしていた