でんでん虫極端に光の乏しい深夜の農道で異様にハイテンションになり急に走り出して土手のはるか下の田圃に頭からずり落ちていても不思議ではないそんな夜の散策から廃屋に戻った私はケトルで沸かしたお茶を飲みながら半時ほど前の散策をもう一度思い返しているうちににわかに信じられないような心持ちになった本来の「主観」を取り戻すことが寒村に戻る大きな目的だったわけだがその少し前までの自分は明らかに「客観」の強過ぎ…
[連載]静寂の梢
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エッセイ『静寂の梢』【最終回】岸 暎
「生きている」をSNSで確認…周りの視点に重心を置く人たち
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エッセイ『静寂の梢』【第11回】岸 暎
世界にただひとつ自分の意思でみられる夢
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エッセイ『静寂の梢』【第10回】岸 暎
スマホやパソコンに触れない生活で「客観的な現実」が見えた
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エッセイ『静寂の梢』【第9回】岸 暎
罪人の悪霊の話…幽霊ウェルカムの私にはマイナスではなかった
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エッセイ『静寂の梢』【第8回】岸 暎
毎日散策した理由は、マイナスを引いてもあまりある景観だった
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エッセイ『静寂の梢』【第7回】岸 暎
もし幽霊に出会えば、「死後は無である」という暗闇に光がさす
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エッセイ『静寂の梢』【第6回】岸 暎
華麗な花園の小道を裸足で駆け抜けていくような感覚
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エッセイ『静寂の梢』【第5回】岸 暎
「大きな対象」を前にして…逃げたい気持ちも分からなくはない
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エッセイ『静寂の梢』【第4回】岸 暎
「歪んだ内面世界」を自覚すると、人は少しだけまともになる
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エッセイ『静寂の梢』【第3回】岸 暎
心の怪我……自分の中身が真空のポリタンクになる時
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エッセイ『静寂の梢』【第2回】岸 暎
空の色よりも周りの顔色ばかりを気にして生きている
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エッセイ『静寂の梢』【新連載】岸 暎
自分の生きている空間は閉ざされた透明な箱の「内側」に過ぎなかった