もう半年は通っているかな。じ~っと一点を見つめていても気にしないで浸れる。あっ、もう一つ。凄くチャーハンが美味しい!

若い子は考えず、何でも聞くし、こっちは手が止まるんだよって文句も言えず『残業になる』心の声が、言葉になって愚痴が出る。バー・カッシュよ、ありがとう。

そういえば恋愛っていつ頃したかな。ドキドキしたり会えなくて寂しくて泣いたり、ケンカして別れたりくっついたり、今考えたら青春だったなぁ。

元カレの尚樹にプロポーズされて結婚していたら、子供もいたんだろうな。自分で選んだ道だから後悔はしていないけど、ちょっと寂しいかな。

毎日、仕事でくたくた。マンションに寝るだけに帰る。最近、自分でもオッサンになっている感じがする。辛い!

美樹よ、女はどこへ。寂しすぎる人生、せめてセフレでもいた方がいいのかな。

さぁー、今週も無事終わったぞ。カッシュで一週間の疲れを発散しにいこう!カラ~ン。ベルの音を合図に、マスターがドアの方を向く。あら、今日も爽やか。

「いらっしゃいませ」と、優しい笑顔。

「いつもの、ハイボールと枝豆を」

「かしこまりました。お腹は大丈夫ですか?」

優しい気遣いがいいね。

「あ、後でチャーハンを」

「はい、かしこまりました」

いつものカウンターの奥に座った。カウンターの反対奥に座っていた男性が「隣、いいですか」と声をかけてきた。