そのうちに、わたしは不思議(ふしぎ)なことに気(き)づいた。
青(あお)い帽子(ぼうし)のひとは、まいねん、まいねん、
少(すこ)しずつ大(おお)きくなっていった。
いつもかたちをかえ、いろいろなところにあらわれる
〈その場所(ばしょ)〉 への出入(でい)り口(ぐち)だって、
これまでは簡単(かんたん)に通(とお)りぬけられたのに、
からだをおりまげないと頭(あたま)をぶつけるようになった。
出入(でい)り口(ぐち)は、なにもないその場所(ばしょ)への
ひらかれた通(とお)り道(みち)だった。
そして、いつでもわたしは
それを見(み)つけることができた。