第二章 思いはアメリカへ
07 参加者9人、検査陰性出国
往路最大の関門は、成田で出国の要件としてPCR検査が陰性となり、その証明が受けられるかどうかにあった。幸いにも9人全員が陰性となり、めでたく出国が正式に認められた。やれやれである。
しかし、気になることは成田空港内の閑散とした情景だ。施設内では照明が消されているところが多くてうす暗く、また、食事をしたくともシャッター街化したレストラン街を見るに心まで寒々しくなってくる。
かろうじて営業しているコンビニで、時間つぶしの食料や飲み物を得た。もし催行を決定する前にこの情景を見たら、実施の決定はしなかったかもしれない。
しかし、5月の陽光に照らされた身には、このまま飛行機に揺られて行く気にもならず、空港内のシャワー室に吸い込まれていった。