第四章 歩き方と靴
外反母趾は幅広靴が起因
外反母趾は、その昔、女性がヒールなどに無理やり足を押し付けて履いたのが原因だ。しかし、現代の外反母趾は、履きやすい幅広靴が原因をつくっていると、私は主張する。幅が広くて緩い金型に足を押し付けるので、足がベチャーッと開いた状態の「開張足」になっている。
昔は男性で外反母趾になったという人はほとんどいなかったが、今では2E・3E・4E・5Eといった感じで、幅広靴を履くために足の形が変形し続け、楽な靴選びのツケが回ってきている。
歩き方にも問題がある。スポーツなどでは、「つま先に力を入れろ」とか「足の指を曲げる運動をしろ」などと一生懸命やっている。スポーツ選手の場合は別だが、間違いばかりだ。
かかとに重心を乗せて歩く練習をしたほうがいい。指の足なんて、もともとは、末節・中節・基節の3本の骨でできていたのが、末節と中節が癒合(ゆごう)し、2本の骨になって退化中だ。これが人間の歴史なのに、一生懸命に指を動かせというのは、人間の進化と逆行している。