ねちねちと一時間近く上司のお説教が続き、終わったころにはもう退社時間を過ぎていた。ひたすら頭をさげ、反省文を書いて提出すると、A4の紙いっぱいに反省の言葉を書き連ねろと言う。余白があってはならないと返された。もう泣きたかった。

やっとのことでロッカーに戻ると先輩社員から「やっちゃったわね」と声をかけられる。

「クレーマーはよくいるからしょうがないわよ」と慰められた。

そして「前から思っていたけれど、あなたには派遣じゃない道もあるんじゃないの? 雰囲気も上品だし、なんだか私たちとは違う世界の人っていう感じがするのに」と言われた。

なんでそんなことを言われるのかわからなかった。じゃあどうすればよいというのか。気分はどん底に落ちていた。

それでも走って帰り、買物をして、急いで夕食を作り座ったところでどっと疲労が押し寄せた。家族は何も言わずにさっさと食べ、部屋に入っていった。

お皿を洗いながら自分だけがかわいそうな気がして情けなかった。洗濯物をたたみ、お風呂をわかして、片づけ終わるともう夜中だった。

明日も早い。眠らなくては……疲れた。ほんとうに疲れていた。

(どうして私がこんな目に遭わなきゃいけないのかしら)と考えながら眠った。

 

次回更新は3月18日(火)、21時の予定です。

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