エッセイ 小説 絵本・漫画 絵本 動物 現代社会 人気連載ピックアップ 2025.02.25 「吠えるし、トイレも覚えないし、他の犬にすればよかったかな」おじいさんが横を通るたび、また蹴られるかと…とても怖くなった。 繁殖犬になった華ちゃんのおはなし[人気連載ピックアップ] 【第11回】 珠生 満ちる 「華ちゃん」という名前で呼ばれるまでの物語 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 日本中、世界中にたくさんの動物の命がある。厳しい環境で命を奪われてしまう動物もいれば、とても恵まれた環境で命を全うする動物もいる。そんな命の差をどうすべきなのか。動物の命について考えるきっかけになる、華ちゃんのおはなし。※本記事は、珠生満ちる氏の書籍『繁殖犬になった華ちゃんのおはなし』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 繁殖犬になった華ちゃんのおはなし
小説 『約束のアンブレラ』 【第3回】 由野 寿和 なぜこの場所にいたのか…ずぶ濡れだった少女の靴についた泥の一部は乾きかけていた 「遺体は三十代半ばの女性。薬指には婚約指輪だ。三ヶ月前の九月三十日に失踪した久原真波(くはらまなみ)に酷似している」「にしても失踪届が親族から出されたのは三ヶ月も前です。遺体の腐敗は進んでいるのではありませんか?」「理由は三つある。あの傾斜は地面から二メートル近い場所にあった。地中深くに埋めることで微生物などの影響を軽減し腐敗が遅れた。そして低温環境だ。冬という季節に加えて、この藤山は高山地帯と…
小説 『約束のアンブレラ』 【第17回】 由野 寿和 嘘だ、嘘だ…。なぜ婚約者は死ななければならなかったのか。ことの発端は刑事の「交通事故」? 安物のビニール傘に銃弾のように雨が落ちてくるのを、身を寄せた体全体が感じていた。周囲の気温も一気に冷え込み、全員が体をさするような姿勢をとった。「だから昨日ではなく今日だったのですか。当時の状況を作るために」頭をさするようにして、三好が傘の間から声をひそませる。「毎年、この時期に静岡県藤市の藤山を中心に襲う三日間に渡る局地的な大雨。年の暮れに悪霊や災いを洗い流すという神聖なもので、神々の山だと言…