「え、生徒たちが? なんと言っているのですか?」

「中二の生徒が部室で、問題のヒントが書かれたプリントもらい、それが本当にテストに出たと、担任に正直に話したのですよ」

担任といえば、中二はほとんどレイナ先生のクラスだ。

「私、問題のヒントなんて渡していません!」

「じゃあ、これは何ですか!」

教頭が一枚のプリントを差し出す。そこには私が作った練習計画が印刷してあった。

(え?!)でもその下には見知らぬ文面。

―中二のみんなへ

明日の国語のテストには、この部分がかなりの確率で出るよ―

と書いてあり、試験の問題が教科書のどこから出るか記されていた。

(何? これ!)

「私じゃ、ありません!」

教頭の顔は、まるで土で作った面のようにピクリとも動かない。

「生徒は、これが部室の連絡BOXに入っていたと、はっきり言っていますよ。先生は生徒に罪をなすりつけるのですね。分かりました。処分が決まるまで、自宅謹慎ということで!」

どこをどうやって歩いて帰ってきたのか、分からない。やはり私の頭がどうかしてしまったのかもしれない。