シミュレーション6・7・8 少子化対策として移民を受け入れた場合
それでは、いよいよこれから本格的に移民政策に対して、詳しく分析していくのですが、その前になぜ私がここまで移民政策を強く主張するのかは、日本の中でできるだけ「負け組」を作らず財政を立て直すためには、もうこれ以外に方法がないからです。
最初にも述べましたが、日本の財政を悪化させている最大の原因は、少子高齢化によって増え続ける社会保障費です。この制度に何も手を加えず、現行のまま維持するためには、まず二つの問題をクリアしなければなりません。
一つ目が、少子高齢化そのものです。この問題を放置したままでは、国の社会保障費が増え続けるばかりか、今後人口減少に伴って、国の借金の返済原資でもあるGDPが毎年減少し続ける事にもつながってしまいます。
そしてもう一つが、仮に少子化対策がうまくいったとしても、彼らが成人して社会で活躍するようになるまで「誰がこの増えすぎた年金生活者の面倒をみるのか?」という問題です。
仮にそれを消費税の増税で賄おうとすれば、結局、その負担が国民生活に跳ね返り、少子化の進行に逆戻りしてしまいます。
このため、現在の赤字まみれの財政の中で、これらの問題を解決するための予算を作り出すためには、どうしても移民政策によって日本の経済規模そのものを拡大し、彼らが支払った保険料で足りない社会保障費を補う事でしか、もう他に方法がなくなってしまったのです。