Chapter2. 人生が変わってしまった事故

意識が戻り〜夫と再会〜「俺といて幸せだった?」

ある日、夫が私にこう言いました。

「変わってあげたい」と。

私は変わってほしいだなんて1ミリも思ってなかったよ。

その後の言葉を紡ぐこともできなくて、ただ泣きながら首を横に振ることしかできなかった……。

「神様、私何か悪いことしましたか?」

心の中で何度も叫んでいた時もありました。

そのうちに口に入っていた管が外れて喋れるようになり、事故に遭った日にカラーコンタクトをしていたことを思い出したので、看護師さんに「そういえば、カラコンしてたんですけど入ったままじゃないですか?」と聞いてみると「搬送されてすぐに取って捨てたよ」と言われて「それなら良かったです」と話しました。

「コンタクトしてなかったら失明してたかもしれないし、コンタクトで目が守られたんだね」と言われて、失明しなかったのも奇跡なんだ〜とその時に気付き、目が見えただけでも良かったと心の底から思いました。

看護師さんに名前と生年月日を聞かれたので答えたのですが、長い間管が入っていたので、最初はガラガラの声でかすかにしか出ませんでした。

看護師さんから「今日は何月何日ですか?」と聞かれ、薬で眠らされていた時に幻想でひな祭りの場面を見ていたので自分的には3月3日ぐらいだと思っていました。「今日ひな祭り?」と答えると、看護師さんが「今日は2月3日だよ」と教えてくれ、「1カ月先を見ていたんだね」と言いました。

しばらくの間、毎日、名前と日付を聞かれて答えているうちに、日付も一致するようになっていきました。