愛しき女性たちへ

マッチングサイトに登録をしてみて、あまりに露骨なプロフィールと誘い文句の多さに最初は好奇心が湧き上がり興奮気味に文章を読んでいたが、これも慣れというものか、段々食傷気味にもなってくる。

しかも多くは十八~三十歳くらいまでの若い女性で、ネットなどで調べてみるとデート代目的で登録しているケースが多いらしい。お茶で一、食事で二、などと具体的なメニューを送ってくることもある。

そんなデートを一日に二、三人としていたら結構な収入になる。男がその先の付き合いに誘うと色々な口実を付けてかわすのだろう。会ってみたところで秀司が期待する方向に進展することは無さそうだ。

しかしながら秀司のような年齢でも何通かのメールが見知らぬ女性から届くと、やはり会ったことの無い女性とデートをするという刺激が今の秀司の大きな関心事の一つになっていくのだった。

「ケンジ様、ご訪問ありがとうございます。私は横浜市内在住ですが、よく銀座へ足を伸ばします。是非お食事でもしながらフィーリングを確かめ合えたら嬉しく思います」

このようなサイトではその世界での専門用語がいくつかあるらしい。

訪問というのもその一つで、興味を持った女性のプロフィールをクリックすると、女性側で、自分のプロフィールをどんな男性が閲覧したのかがわかる仕組みになっており、相手のプロフィールを見に行くことを訪問する、と言うらしい。

足跡を残す、という言い方をする女性も多かった。

「足跡を残して頂きありがとうございます♡」と、こんな具合だ。