核心2
4 土地購入のヒント
住み心地をイメージしよう
土地選びのポイントは、まず見学に行って周辺環境をよく確認することだ。時間帯や天候など、異なる条件で見ることも重要なので、何回か通ってみるのもいい。
朝日はどの方向から入るのか? 公共の交通機関までの道のりは? スーパーや病院、学校、金融機関などはどうだろう?
また、隣接する道路の幅をしっかり把握することも重要だということは、この項目の前後にも記している。事前に、その土地の住み心地をしっかりイメージすることが大切だ。
道路の幅は要チェック
連載第2回でも詳しく説明をしているが、建ぺい率と容積率の関係で、道幅が4メートルよりも5メートルのほうが土地を有効活用できるので、土地購入時の重点項目のひとつとして、目の前の道路の幅をしっかりとチェックすることが必要だ。まず最初に確認しておく必要がある項目だともいえる。
ただし、これは新築物件を建てる際の検討であり、中古物件を買う際には逆の発想が必要になる。
5メートルの土地は容積率を目いっぱい使っているが、 同じ戸数で利回りも一緒なら、4メートルの土地のほうが広いということになる。銀行の評価も付きやすい物件だ。新築の場合と違う発想になるので、この辺は頭の片隅にでも詰めておきたい知識のひとつだ。
河川や公園隣接の土地はマンション用地に
投資マンションを考えているなら河川や公園に隣接した土地はお勧めだ。別項目でも説明しているが、採光が取りやすく敷地を目いっぱい使えるのが大きなメリット。
川が流れていると臭いや虫の発生などで、住宅を建てる人は敬遠しがちだ。 公園も子どもを遊ばせるという発想もあるが、やはり騒音やいろいろな人が立ち寄ったりする場所なので同じような感覚を持つ人は多いと思う。
だが、その分、土地の価格は安いはずである。また、周辺が開けているということは、高さや影の影響を心配する必要がなく、採光が取れるということは間取りが取りやすいということになる。風通しがよくて景観もそれなりに楽しめる。マンション用地にはもってこいの土地だと思う。
南向きの土地を基準に考える
土地の価格は、道路が南側にある南向きの土地が一番高いということを、基本としてまず覚えておこう。
そして、それに相対する、北側に道路がある北向きの土地は、南の相場が坪100万円とすれば9掛けの90万円。さらに、間口 が狭ければ「8掛け」で、だいたい80万円というイメージを私たちは持っている。
建設業界や建築などと無縁の一般の人たちからすれば、100万円の土地が売りに出ていれば隣の土地も同じ値段だと暗に思ってしまうが、それは大きな間違いだ。
間口が狭ければ同じ南向きの土地でも「8掛け」、土地が奥に向かって直角に変形しているL字型の土地なんかは「半値8掛け」(半値50万円の8掛けで坪40万円)で買える。
L字型の土地は用地を目いっぱい使うことが難しいが、 道路までの部分は駐車場や通路にして、残り部分に建物を建てるなど、考えようによっては、いろいろなプランや使い方ができるのだ。
京都の土地はウナギの寝床といわれるが、そうした土地は相場の半値8掛けで買えとよくいわれる。古いものや問題を抱える物件は買い叩け、どんな商売にも共通していえることだ。間口が広くて奥行が狭いなど、その土地が抱えるさまざまな問題を見抜いて「半値8掛け」で買うということだ。