俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2024.02.21 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第5回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 春の景 謹呈の 花の便りに 筆重く つちふるや 湯船に沈む 手の白さ 黄砂降る 岩波文庫 伏せしまま 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句
小説 『終恋 [人気連載ピックアップ]』 【第4回】 高生 椰子 初恋の人と40年ぶりに会うことに。待ち合わせ場所で(あの人なら会いたくないな)と思っていると「緑のジャンパーを着ています」と… 【前回の記事を読む】40年会ってない元カノに会いたくなる男の心理って? 男友達に相談すると「俺なら会わん。何かあるで、それ」…嫌な予感がする待ち合わせ場所である梅田駅前のビルに着いたのは約束時間の15分前だった。一階の書店で10分程雑誌の立ち読みをするが、文字が頭に入ってこない。5分前に指定したエレベーター付近に移動すると何となく彼に似た細見で小柄な男性がリュックを背負って立っていた。ちょっと似…
小説 『奇譚空間』 【最終回】 八豆 うらり 箱ティッシュから生まれた少女に『みかん』と名付けた僕。彼女はどんな話も笑顔で聞きながら、時々相槌を打ってくれる 【前回の記事を読む】箱ティッシュから生まれてきたのは、僕好みの美少女だった……!「きみの名前は……えっと……えっと……よし、みかんにしよう! みかん!」「み・か・ん?」「そう! みかん! 黄色くて甘酸っぱくて、食べるとおいしいんだ!」「食・べる……み・か・ん……」「ああ、きみのことは食べないけどね」目の前でにっこり笑う少女を見て、僕は心が洗われるようだった。そして、この少女を守らなければと思い、…