俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2024.01.12 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第4回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 春の景 つばくらめ 銀のトレイの 照り返し メサイアを 聴かず仕舞ひや 花ミモザ 桜餅 顎を引くやう 指図され 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句
エッセイ 『一人十色』 【第5回】 イドゥルギ ヒロ,イドゥルギ ヒロ 「お父さん、大丈夫だと思うけど、ある程度の覚悟はしておきなさい」――震災後2週間たっても親の迎えがない息子に、先生は現実を… 【前回記事を読む】やっとの思いで到着した家は一階が津波の被害で泥や大木で覆われている。息子はそこには居なかった三日後に中学校に行ってみると、水はまだ周囲を覆っているが、比較的校舎には入りやすくなっている。職員室前の掲示板の前で数日振りに息子と出会えた。息子は何でもない様子だったが、私の方は号泣してしまった。最後に人前で号泣したのは何年前だろう。学校側も最後の避難生徒が親に迎えに来てもらって安堵し…
小説 『本音と建前の王国』 【第3回】 西田 嘉之 (タプタプタプ)いつか触ってみたい……と思っていた、おじさんの下アゴのたるみを揺るがしてみた 【前回の記事を読む】「だんだん、この国の雲行きが、あやしくなってきた」どう生きていけばいいのか...大人が子どもに学ぶべき素朴さとは?兎岳の高地には、兎さんたちの好きな植物はなく、兎は見かけない。天敵から身を守るハイマツの王国なので、雷鳥さんがすみかに使っている。西洋では、雷鳥をディナーコースで食べちゃうようだ。日本では、雷様の使いとして、昔から大事にしている。そのため、日本の雷鳥さんは、人間が…