福井大学の荒井先生との出会い

西安理工大学で働いていた1987年4月、福井大学工学部の荒井克彦先生が西安理工大学水利学部に客員教員として来られて、三ヶ月間滞在して講義をされました。

そのとき、当時その学部では日本語がうまくて通訳できる先生はいなかったので、大変困りました。そこで、学校の外事弁公室の範主任が「ジンさんは日本語がうまそうで、頭が良いし、通訳できる」と、私を李建中・水利学部長に推薦しました。面接してすぐ決められたので、その学部のために荒井先生を上海へ出迎えに行って、荒井先生が講義をされたときの通訳をしました。

話は飛びますが、私が1991年7月に福井に来てから、荒井先生は知り合いの千葉県にあるコンクリート製品を製造販売している飯塚弘芳社長を紹介してくれました。そのとき飯塚社長は中国でコマ型基礎という基礎工法のビジネスをやろうと決心しており、そのために通訳してほしいと言われました。

当時福井大学に留学していた張建民さん(中国工程院士、現在清華大学土木水利院教授)は、事前に西安理工大学や清華大学の土木関係の教授たちと連絡した上、11月に北京で飯塚社長はコマ型基礎工法を紹介することになりました。

飯塚社長が荒井先生や他の技術者たちと一緒に北京を訪問して、中国全国から集まっている大学教授や企業家たち100人ほどの前で、コマ型基礎工法のビジネスをアピールしたとき、私は勇気を持って数時間も通訳をしました。

また、荒井先生は福井県坂井市にある前田工繊(株)前田社長を紹介してくれました。

北京を訪問したときの荒井先生(右)と飯塚社長(中央)

西安理工大学水利学部 謝定義教授たちが福井大学を訪問したとき、私が通訳して前田社長が自社工場を案内され、繊維を用いた地盤補強の新しい技術をわかりやすく説明していただきました。いろいろお世話になって、本当に感謝しております。

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次回更新は2月25日(日)、12時の予定です。