もう一人のミヤンの御付きがそこまで話し終えると、ミヤンが話し始める。

「この日が来る事はイムフラには伝えずにな……。ただ多くの仲間達が命を落とした。だがあなた達が来てくれたおかげで、残りの皆が助かった……」

そう言うと三人は深々とラ・エンカに頭を下げ礼を言った。しばらくしてミヤンは頭を上げラ・エンカに尋ねた。

ラ・エンカの過去

「ところで助けてもらったお礼がしたいのだが……、何か捜したい人物や、知りたい事があるように見えるが……? どうかな?」

ラ・エンカは、ギョッとし驚いた。実は以前から捜していた兄の行方を知りたかったからだ。何年も捜し求め、零族狩りになったのは、兄を捜す手掛かり、情報を得る為だった。

ミヤンは聞かずして分かっているようで、早速、ラ・エンカの目の前に立って瞼を閉じた。ラ・エンカの頭の中の記憶から、兄を見付け、今何処に居るか捜すが、霧に覆われ何故か見る事が出来ず捜せなかった。

ミヤンは謝ると代わりに探したい物を見付け出す事が出来るエデンの花の生息場所をラ・エンカに教えた。ラ・エンカはワニの施設内でエデンの花を探せなかったので素直に喜んだ。

ラ・エンカは、ラムカの事は、自分がカーに襲われている時に、歌で助けてくれたので、空の国の宝の事は諦めた。そもそも兄の居場所が分かるのであれば、後は全てどうでも良かった。

カイゼル達は、ミヤンに記憶の森の場所を尋ねていた。

「記憶の森の場所は、シーバスが持つコンパスのみぞ知る。ラムカと水の国へ行きシーバス・クロケッツを助け、コンパスをもらうように、それが唯一の行き方だ」

そうミヤンから告げられカイゼルは眉をひそめた。シーバスとは、この世界で名を知らない者が居ないくらいに、海賊の中の海賊、大海賊と称えられていた。そんな人物と会い、しかも助け出さなければいけないと聞き、三人は心が折れそうになった。

カイゼルはラムカの顔を覗いたが未だ深い眠りについていた。

【前回の記事を読む】『みんな帰ろう』と響き渡る歌声。その響きは全ての者達の動きを止めた

※本記事は、2021年12月刊行の書籍『雲海のエガミ』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。