エイミーは、小さな体で大きなカゴを背負い、
自分の体の何倍もある大きな木の実を入れて、
二匹が住んでいる山まで汗かき歩きました。
山の麓に辿り着いた頃には、エイミーは
すっかり土まみれ。お日さまも眠りに
つく頃でした。
そこではムンゴが、地面が揺れるほどのいびきをかいて寝ていました。
「ムンゴ、こんばんは」
エイミーは、疲れきった体で声を振り絞り、勇気を出して眠っているムンゴを起こしました。
ムンゴは、目をこすりながら面倒くさそうに体をゆっくり起こして、エイミーの姿を見た後、また寝転がりました。もう一度、エイミーはとび跳ねながら大声で叫びました。
「あなた達に、木の実を届けにきたの」
木の実と聞いて、ムンゴの眠気は吹き飛びました。
「本当かい。嬉しいなあ、大好物なんだよ」
「よかった。ブギーはお留守かしら」
ムンゴは、ブギーの話をされることに苛立ちながら答えました。
「ああ、兄さんなら向こうの山に水汲みに行っているよ。早く帰ってきて、夕ご飯を作ってくれるといいんだけど。そうだ、ぼくがきみを背中にのせて兄さんの所まで連れていってあげよう」
「それはご親切に。ありがとう」
「ごちそうを持ってきてくれたんだもの、当然さ。その前に、カゴをおろして少し休んだらどうだい」
「それもそうね。ずっと歩いたから足が動かなくて」
エイミーは微笑んでカゴをおろし、木の実を地面に置きました。
そして石の上に座り、手ぬぐいを出して汗を拭きました。