大きく口を開けた

あなたはなんとまあ清く気高く力強いの

こんなにも私たちを謙虚にさせる

ただそこにいるだけで一体どれほどの人々が

あなたに見惚れ、触れ、立ち止まってしまうのでしょう

その美しさにみんな呑み込まれてしまいなさい

そしてピンクの泡を吹いて死んでしまいなさい

大事に抱いているものほど

なくなってしまえば呆気ない

赤ん坊が握っていたおもちゃをパッと放すように

愛していたかと思えばたちまち無惨に

そのかわり強く強く、だれよりも強く握りしめて

そうやって切り替えの早さを学ぶのです

どこまでも続く桜並木

歩けば歩くほど

私の寂しさも満開になった

桜が好き

人は圧倒的美しさを前に無力だ