不妊治療の末、高齢出産!
博士論文を書きながら第二子が産まれてくれたらいいな。仕事がなければなんとかなる、そう思っていた。
が、ほしいと思ったら今度はなかなか授からない。第一子出産から五年経ち、長男が「弟が欲しいです」と毎年七夕飾りに書いているのに「ごめんね」と手を合わせながら、三十八歳を過ぎ、もしかしてこのまま授からないのでは? 焦った。
その間に二回ほど妊娠したがすぐに流産。それから不妊症外来に通院する日々となった。でも夫婦共に異常はない。四十歳を過ぎいよいよ自然妊娠は無理かということで人工授精を繰り返したが、妊娠せず。
「体外受精するか?どうする?」医師から聞かれたけれど、つらくて「一回休もうか」と不妊治療を一時中断した。一人っ子のままでもいいかと気を楽にしたら、その一か月後、まさかの自然妊娠! 医師も驚いていた。
経産婦といっても四十二歳の高齢妊娠。途中、出生前診断を受けることを当然のように促されたが断った。
「どんな子でも産みます。知ってもどうにもなりません、中絶は絶対にしません」。
流産を繰り返した末の待望の妊娠、しかも、その排卵日は夫の母親の祥月命日だった。運命としかいいようがなかった。もしかして、この子はお義母さんの生まれ変わりなのかな? そんなことはどうでも、絶対に、この子は何かを伝えるために産まれてくる、だから絶対大丈夫、そういう不思議な安心感さえあった。
習っていた母子のための整体が奏功し、「トコちゃんベルト」を巻いて腰痛ゼロ、高齢妊娠だけど妊娠中の異常もなく順調に発育した。母子整体のプロ助産師の親友Mが、妊娠中に何度も整体ケアをしてくれたおかげで、妊娠中、腰痛などのトラブルもなく、切迫早産の危機に陥った時にさえ整体技で止めてくれた。
出産の時も、真夜中に駆けつけてくれて病院に運んでくれた。そして、Mの見守りの中、陣痛から三時間、あっという間に生まれた。四キロ近い体重の大きなとてもかわいい子だった。