俳句・短歌 俳句 コンテスト大賞作品 2023.10.26 句集『バーの二階で』より三句 バーの二階で 【第2回】 田中 龍太 幻冬舎グループ主催 『短歌・俳句コンテスト』大賞受賞作品 日本の四季を彩った、“今”を表現する一冊 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コロナ禍以降、読書を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか? 本書は、その間に編まれた句集です。※本記事は、田中龍太氏の書籍『バーの二階で』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 春の景 一目見た ひとを手淫に 黄水仙 蛇穴を出づ ラーメン屋の 掛け声 漕ぐよりも 唇愉し ふらここと 【前回の記事を読む】句集『バーの二階で』より三句
エッセイ 『プリン騒動[人気連載ピックアップ]』 【新連載】 風間 恵子 「そんなプリンなんか作ってないで、早くメシのしたくしろ!」台所で一挙手一投足に怒り狂う義父。言葉の暴力が鉛となって心臓を突き抜けた。 ある晩のことだった。三人で、夕食のしたくをしていた。この三人と言うのは、舅(しゅうと)・姑(しゅうとめ)・嫁すなわち、私の事である。台所は女の神聖な場所と考えられているのではないか。しかし、この家では、舅が当たり前のように立つことが多い。自分が調理したものは自慢をするが、人の作った料理は決して、美味しいとは言わない。逆に貶す事に喜びを感じるタイプである。野菜の切り方から、味つけまでを一つ一つ指摘…
小説 『レッド・パープル』 【最終回】 そのこ+W 父親は既に死んでいた…なら何故すぐに警察を呼ばなかった? 自分が殺したと思われるのが怖かったと言うなら、その行動は不自然だ 掛川が小林警部補と会えたのはその日の夜遅く、二時間も警察署で待たされた挙句のことだった。夜の九時近くになっていた。小林修吾(しゅうご)は四十がらみのがっちりした体格の、いかにも田舎の実直なおまわりタイプの男だった。掛川が名刺を差し出すと彼は自分が神林邸の放火事件の担当刑事だったと認めた上で、勝ち目のない裁判に賭ける若い弁護士を、さも気の毒だと言わんばかりに眺めた。小林は事件に対する捜査には自信を…