評論 詩 宇宙 夜景 2023.07.09 詩集「星間通信」より3篇 星間通信 【第2回】 細見 劉一 果てのない宇宙と地球。 地球と僕の中の闇。 凡百の孤独の情景を、澄んだ言葉で紡いだ23編の詩集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 ※本記事は、細見劉一氏の書籍『星間通信』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 【前回の記事を読む】詩集「星間通信」より3篇 マゼラン星雲 1つ 2つ 3つ と 星が 盗まれていく 1人の 大男が まっくらな航海を終え 星を無数 ポケットに突っ込んで 陸に上がって行った
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
小説 『我輩は清掃人じゃ』 【第10回】 ホモ・サピエンス 直球で堂々と真っ向勝負するのが最高じゃ。後悔したり、臆することなく闘うのが、最も美しいのじゃ。 そこでじゃ。事件が発生しとる現場まで見学に行こうかと思ったのじゃ。いや、見学ではなく見物か。邪魔はせんので、見させてもらえばよいのじゃが。とにかく音を頼りに、その方向まで行ってみるのじゃ。ハンドルを握る右手と、リードを引っ張る左手、押されるだけのチャリンコ。歩いていくと、人だかりができていて、黒煙が高く蔓延している通りに出た。さっき見たばかりの大邸宅からちらほらと炎が舞っておる。厳格な門構えと高…