評論 詩 宇宙 夜景 2023.07.09 詩集「星間通信」より3篇 星間通信 【第2回】 細見 劉一 果てのない宇宙と地球。 地球と僕の中の闇。 凡百の孤独の情景を、澄んだ言葉で紡いだ23編の詩集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 ※本記事は、細見劉一氏の書籍『星間通信』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 【前回の記事を読む】詩集「星間通信」より3篇 マゼラン星雲 1つ 2つ 3つ と 星が 盗まれていく 1人の 大男が まっくらな航海を終え 星を無数 ポケットに突っ込んで 陸に上がって行った
エッセイ 『逆境のトリセツ[パラリンピック特集]』 【新連載】 谷口 正典,益村 泉月珠 右足を切断するしか、命をつなぐ方法はない。「代われるものなら母さんの足をあげたい」息子は、右足の切断を自ら決意した。 失うのは生命か右足か究極の選択まだ寒さが残る三月。午前二時。ピンポーン。「こんな時間に誰?」上着を羽織りながら玄関を開けた。そこに立っていたのは、背筋を伸ばした警察官だった。「正典さんのご家族の方ですか」「正典の母です。どうかしたんですか?」「正典さんが、国道二号線でトラックとの事故に遭いまして……」「え……、正典は無事ですか?」「現在、病院に搬送中です」動転した母は、兄と一緒に俺が運ばれた病院…
小説 『ツワブキの咲く場所』 【第19回】 雨宮 福一 いつか中を見てくれ…心不全で亡くなった親友が残した段ボール箱。そっと開けると、そこには聖書が入っていて… 【前回の記事を読む】ハムスターに嫉妬し、小さな命をそのまま土に埋めた。その後、主治医から家族と離れて暮らすことを提案され...手元のスープが冷めていくのが分かっていても、彼の思い出はとまらない。一緒に行ったクリスマスパーティー、蛍を観に行った日のこと、夏祭りのにぎわい、正月参りの人混み、夜更けの何でもないメールに、どうでもいいことで盛り上がる昼餉(ひるげ)の語らい。でも。(一度に思い出しすぎた気…