評論 詩 宇宙 夜景 2023.07.09 詩集「星間通信」より3篇 日常 音階の紊れた 永遠のオルゴール 朝 降りてくる くるった天使が りるりるりると オルゴールの発条を巻いて 去っていく 僕は いつものように セピア街のちいさなオフィスにいく 人影のない大通りを渡って
小説 『いつか海の見える街へ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 須賀 渚 彼女はひとりで逝ってしまった――。危篤になる前に「会いたい人はいないか」と看護師が聞いたそうだが、彼女は… 【前回記事を読む】「私、ここに自分のお墓を買ったの」と話し出す彼女。「身寄りがないから…ほんとはあなたのそばにいたいけど、許されないわ」扉が開いて、以前にも会ったことのある婦長が現れて「面会室」と書かれた部屋に案内された。向かい合わせの椅子があり、座るようにと手で示した。向かいに腰を下ろした婦長は、低い穏やかな声で話し始めた。年末の風邪の症状から高熱を出し、さまざまな治療が試みられたが、免疫力が…
小説 『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』 【第3回】 武 きき お手伝いの仕事を正式に採用された香子。「ご主人様と呼ばずに丈哉と…」雇い主の丈哉との距離も徐々に縮まっていき… 【前回の記事を読む】離婚してから3ヶ月。大好きな家事を仕事にすることができて、夢のような日々が過ぎていった。今日はご主人様のために何作ろう…六時頃、お帰りです。お夕飯も完食。「凄く美味しかった」「ありがとうございます。嬉しい」台所に行きながらガッツポーズ。お片付けも済ませ、「香子さん、ちょっといいかな?」「はい」「今日で三か月だね。早いなぁ~。香子さんは働いてどうだったかな?」「とても楽しくお仕…