評論 詩 宇宙 夜景 2023.07.09 詩集「星間通信」より3篇 日常 音階の紊れた 永遠のオルゴール 朝 降りてくる くるった天使が りるりるりると オルゴールの発条を巻いて 去っていく 僕は いつものように セピア街のちいさなオフィスにいく 人影のない大通りを渡って
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[人気連載ピックアップ]』 【第2回】 武 さき 「もうあなたを愛せない!」別れを切り出した夜、主人は何も言わず私のベッドに入ってきて... 「明日から行くから」と。私は無視して二階に上がった。主人がシャワーから上がって寝室に入ってきた。主人に背を向け寝ているふり、主人が私のベッドに入って来た。「何!」大声で言い放った。主人は何も言わず私を抱こうとした。「何を考えているの!」「やめて!」主人は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしている。「放して!」言っても手を止めない。凄い力。初めてだ。首にキスをし、胸をつかんでくる。…
小説 『高校生SM 』 【第13回】 大西 猛 あの人にチョコを渡すのは私一人で、あの人の魅力を知っているのは私一人。他の人にはチョコをあげる資格はなかった。それがあるのは私だけだった。 そしてまたあの嫌いな休みが来た。私とあの人を断ち切る冬休みだった。夏に比べればその時間は半分にも満たなかったが、その間一切あの人と会えなくなるという点では変わらなかった。私はあの人に会えない寂しさと会えたとしても何も変わらないのだという寂しさを両方噛みしめながら寒くて陰鬱な冬の日々を過ごした。冬休みが明け、三学期がはじまっても、私の寂しさの片方だけはやはり消えなかった。毎日教壇で見るあの人は、は…