②喉の反射を起こさせない技術

胃カメラがつらいと思われている最大の理由は、喉をカメラが通るとき「オエッ」という反射が起こるからです。食べたものは飲みこめるのに、なぜカメラだと反射が起こるのか、それは①スコープの硬さ、②スコープの太さ、③強い緊張などが理由です。局所麻酔で多少は軽減されますが、圧迫感はゼロにはなりません。

そこで多くの患者さんを検査し、そのたびに検査の感想などを繰り返し聞き確認しました。すると「今回の検査はつらくなかった」と言われた検査のほとんどは、反射が起こらずにカメラを挿入しているという共通点があることを見出しました。

この反射は正常な体の反応でもあり、ゼロにすることは難しいのですが、まずは検査前に緊張を取り除くことが大切です。病状を詳しく伺う、丁寧に説明することも有効です。

さらに当院ではカメラを喉に入れたときに苦しくないように、「オエッ」となる反射の起こらない方法で入れていきます。ほとんどの患者さんが「つらくなかった、これならまた来年も定期的に検査を受けられます」と言ってくれます。それでも不安の強い方は鎮静薬をうまく使用した検査方法がいいでしょう。

3つのなかから検査法を選ぶ

皆さんが胃カメラを受ける場合、当院の場合には3つの選択肢を用意しています。

いずれの検査も「つらくない」検査を目指して行っていますが、最初の選択肢は鎮静剤を使うか使わないかになります。鎮静剤はカメラを入れる違和感をかなり軽減してくれますので7~8割の方は鎮静剤を用いた胃カメラ検査を希望されます。

①鎮静しながら経口(口から)の検査方法

希望される方が圧倒的に多いのはこのパターンです。鎮静剤は腕の内側に点滴をするのと同じように注射で行います。鎮静での検査では口からカメラを挿入します。

その理由は、鼻から入れた場合、鎮静下に無意識に顔を動かしてしまうと、鼻の出血の危険性があるからです。

検査後ご本人に結果を説明してお帰りいただきますが、ふらついて事故などあってはいけませんので、鎮静での検査後は車の運転はできません。