目に見えないもの
風のお話です。伊勢神宮の外宮に風宮というお社があります。風雨の災害なく稲を中心とする農作物が順調に成育するように祈りを捧げるのが風宮です。内宮にも風かざ日祈宮というお社があり、そこに至る橋から眺める景色が、中学生の頃から好きでした。
風の正体は空気の流れです。空気は目で見ることができないので、頬をなでたり、草花や木の葉が揺れているのを見て初めて「あ〜、風が吹いている〜」とわかるという特徴があります。
また、空気なので形もありません。上に上がったり、下に下がったりの繰り返しで生まれる空気の動きが風なのです。この風って目には見えません。でも確かにあります。
そして、この風は生命の誕生や文明の発展と切っても切り離せないほど大切なものだったりします。雲を動かすのは風ですから、世界に水を行き渡らせるのも風の役割です。植物の種を飛ばすのも風の役割です。
昔から「本当に大切なものは目には見えない」という言葉がありますが、なるほど、そうなのかもしれないと思います。
目には見えないけれど、大切なものの代表として「愛情」があります。愛情って、私たち人間にとっては、とても大切なものですね。乳幼児期に保護をしてくれる人との間に形成される愛情の絆を「愛着」と言いますが、この絆が「安心感」の基盤になります。それが愛情の種にもなります。
その種を育てている人は、どのように人を愛すればいいかを感覚的にわかっています。そして愛情は、その人の言動を見れば「あ〜、愛を感じる〜」と何となくわかったりするのです。愛情の種は、日常の暮らしの出会いの中でも蒔くことができます。愛のある言葉や笑顔の中に、その愛情の種はあります。その種を育てるかどうかは、あなた次第でもあります。
カナムーンは、あなたの心にある愛情の種を育てるお手伝いができればと思っています。