第5話 先ず初めに管理組合を立ち上げた
A社倒産後、所用する3つの物件の管理組合が、D社主催でそれぞれ開かれた。これまでB管理が管理の全てを行っており、今となっては恥じるばかりなのだが、管理組合の意味すら理解していなかった。村上氏から管理組合の大切さと主体的に関わりを持つことの重要性を聞いていたので、恥ずかしながら初めて参加した。
幸いなことに「オーナー集いの場」事務局に紹介していただいた田中氏と2つの物件で会を同じくしていた。管理がB管理からD社に譲渡され、それ以前にはB管理が管理の全てを行っていたことから管理組合が組織されておらず、管理組合の理事長がいない状況からの始まりであった。
第1回目の理事会・総会は、D社が理事長代行を務める形で開会した。管理業務を行う担当者との初顔合わせとなった。かつ、これ以降、管理組合を協力して運営していくことになる田中氏との初顔合わせでもあった。
A社倒産と業務移譲の経緯、D社の概要説明、また管理運営に対しての考え方等の説明が行われた。また、それぞれの物件の資産状況についても説明が行われた。何もかもが新鮮であった。そしてマンションを購入したにもかかわらず管理組合への認識が全くなかったことに対して、今更ながらに恥じ入るばかりであった。
マンションの資産価値を維持するためには、日常的な管理と中長期的な視点での管理の2つがそれぞれ大切である。
日常的な管理については、エントランスなど共用スペースの清掃や電灯などの球切れ、細かいところでは集合ポストのダイレクトメール散乱の防止等々、美化環境保全と施設設備の保守点検が重要になってくる。
長期的な視点での管理は、15年から20年ぐらいを目処に行わなければならない大規模改修に向けた計画の立案と、これにかかる費用の計画的な積立管理が求められる。これらの業務を管理組合がD社に委託し行われていくことになる。
それだけに管理組合の果たす役割は非常に重要であり、D社との関係づくりは大変大切になることを認識させられることになった。今回の理事会、並びに総会でD社に不安を感じることはなかった。むしろいきなりの業務拡大で担当者を含め、会社そのものが社運をかけて管理を安定させるべく取り組もうとしている意気込みを感じることができた。