病室では、まひるがヒカリのバイタルの変化に気がついた。
まひるはヒカリに声をかけ続けると、ヒカリがゆっくりと目を覚ました。
「凛は何処? 凛に会いたい」と、ヒカリが言い、まひるは凛を探しに行った。
まひるが凛と話した屋上には、真っ赤な夕焼け空が広がっていた。
そして、凛の携帯電話がそこに落ちていた。
拾い上げると、画面には送信されないままのコメントが書かれていた。
「まひる、ヒカリ、愛している。これからも、その先も……」
まひるは、携帯電話を抱きしめ溢れ出す涙が止まらずにいた。
その側には凛が嬉しそうに、悲しげにまひるを包み込んで居た。
凛は明るく話しかけるつもりだったが、泣きじゃくるまひるを前に、絞り出す様に「側にいるから」と話した。凛のことばは、まひるには届いていなかった。